「ニコニコ自作ゲームフェス」とは、ニコニコ動画主催のゲームコンテスト。「ニコニコ自作ゲームフェス勉強会」は、自作ゲームフェスに合わせて開催される勉強会だ。
第1回は2014年、第2回は2015年に開かれた。第1回はゲストとして『俺屍』の桝田省治氏が、第2回は『不思議のダンジョン』の中村光一氏が登壇。どちらも参加したが非常に濃い話が聞け、とても満足感があった。(なお桝田氏の講演については過去に記事を書いた)
2016年11月6日に開催された第3回は、幽霊をカメラで撮影する『零』シリーズの柴田誠氏が登壇。参加者からの質問への回答を中心に和風ホラーゲームについて色々な話を聞けた。
また、合わせて「持ち込んだ自作ゲームを互いにプレイしてみよう」「2時間でボードゲームを作ってみよう」といった企画も用意されたりした。あとお菓子とジュースが振る舞われた。
『零』シリーズ柴田誠氏の講演
零シリーズの良さ
そもそも自分は零シリーズをプレイしたことがない(ホラーゲームがマジで苦手)ので、そもそもとして零シリーズの「霊に向けてカメラを構え、引きつけて大きくハッキリと映った瞬間に撮影する」というシステムの秀逸さに驚いた。ホラーゲームは怖がらせることが趣旨のゲームだ。たぶん。で、怖がらせるためには目の前でバァっとやって脅かしたり、プレイヤーを追いかけて命の危険を味わわせたりする必要がある。それはプレイヤーにストレスを与える行為だ。ホラーとしては楽しいかもしれないが、ゲームとしては面白くない。
その点、『零』では「プレイヤーが最も今日を感じる瞬間」が「霊を倒せる瞬間」となっているのだろう。最大の恐怖を感じた瞬間にその恐怖が取り除かれ、最大の快感を得られる構図となっているわけだ。最大のネガティブからの最大のポジティブ。これは凄い発明だな、と感心させられた。
まあ、この記事を書いている段階では未プレイなので想像でしかないのだけども。近いうちにプレイしてみたい。
その他講演の中でなるほどと思った話
「プレイヤーがコントロールできる要素が増えれば増えるほど、怖さが減っていく」「『零』では人間に聞こえない周波数のを大音量で鳴らしている。起動したら犬が吠える、みたいな事がありえる」この発想すごく面白い!
「霊と戦うゲームだとしたら、『霊が出てくる=戦える』という構図になる。ってことは『霊が出たら安心する』ってことになってしまう」これを零ではどう解決しているのか気になる。
質問「敵が出てくるまでは怖いが、出てしまったら作業になりがちなのをどうすればいいか?」に対する回答。「これは解決できてない。敵に勝てないゲームにするか、勝てるが戦うとステータスが悪くなるようなゲームにする必要がある。が、そういうゲームは長く遊びたくないだろう」
自作ゲームを互いにプレイしてみよう企画
自分が作ったシンプル格闘ゲーム『SHINKENDO』を2組にプレイしてもらった。一切説明せずに手探りで一通りの要素を理解し、最低限の戦いの駆け引きを理解してもらえたみたいで小さくガッツポーズしたりした。2時間でボードゲームを作ってみよう企画
まず最初に、マリオやスプラトゥーン、ドラクエなどを例に、「マリオは『ジャンプ』を繰り返すゲームである」「そして、マリオは『ジャンプ』が楽しくなるように設計されている」という事を解説された。(なんと偶然にも以前自分が書いたこの記事やこの記事とまったく同じような内容である)今回のワークショップではマリオのジャンプに相当するような「繰り返し行いたくなる行動」を決め、そこを起点に「目的」や「障害」を考えていく、という流れで作っていく事になった。
製作するのは1人プレイのボードゲーム。4人1組となって付箋にアイデアを書いて並べつつ絞っていく。小道具として鍵の形をしたチャームを貰ったので、それをモンスターから「奪う」ゲームという事になった。
自分がリーダーぽい立ち位置になったので強制的に決めまくり、なんとかギリギリゲームっぽい何かができた。ゲーム名は『脱出姫』。サイコロを振って回廊をぐるぐる回りながら、モンスターの背後から近付いて鍵を奪うゲームだ。
ルールはざっくりと以下のような感じ。
- ダイスを振って出た目の数だけ姫を時計回りに進める。その後モンスター用のダイスを振ってモンスターを時計回りに進める。これを交互にやる。
- 姫がモンスターに後ろから近付き、同じマスでピッタリ止まることができたら鍵を奪える。そのまま扉マスまでたどり着けたらステージクリア。全3ステージ。
- ピッタリ止まれず行きすぎてしまったら鍵は奪えない。逆にモンスターに追われる形となる。モンスターに追いつかれると死亡。
2時間しか時間がないのでとにかくシンプルにした結果、「奪う」アクションよりも「追いかけっこ」を繰り返すゲームになってしまったのでコンセプトとしてはブレブレもいいとこ。それでもまあ最低限ゲームとして成立するようなものができたので満足です。普段からボドゲ遊んでてよかった。
勉強会は以上で終了。人間嫌いなので懇親会参加せずひとりでザギンでささみカツを食べて帰った。
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